１０６、求めることのみの愛の欲望とは – 愛は与え合うもの
人とは欲深い生き物なのでしょうか。そうとも思い、そうでないとも思われます。というのも、これはそもそも個人としての人間の生き方にかかわってくるものと思われるからです。
女性であれ男性であれ、人は誰でも基本的に自分が一番カワイイもの。それはそうなのですが、中には自分がカワイイからこそ、そんな自分と同じ人間を愛するのだという人もいるのです。
これは男女問わず人の一生を通じて非常に大事なことで、徹頭徹尾自分のみがカワイイだけでは、決して幸福を得ることなど出来っこないというのがその理由です。
自分がカワイイからこそ他人を愛するのだというのは、自分も他人も幸せにしていくのだという考えです。
このことはちょっと考えてみれば分かることで、ものの道理と言っても良いと思うのです。いくら自分や家族だけの幸せを願っていたとしても、戦争でも始まって爆弾など落とされてしまったとしたら、そんな幸せなど打っ飛んでしまうことでしょう。
戦争という身勝手で野蛮な行為は、たくさんの人たちを不幸のどん底に叩き落としてしまいます。
そんなに大げさなことではなくとも、これは個人と個人の間、また男女の間についても、実は同じことが言えるのです。つまり、他人の満足、相手の幸せを願えない身勝手な者に、人としての満足も幸せもありっこないのです。
例えば、自分の彼氏、彼女があまりに自己愛の強すぎる人間だとして、愛の証を求める一方で、けっして自分から与えることをしないとしたら破局は目前です。
求められることのみを強いられた異性としては、そのうちにきっと疲れ切って、「もう、ごかんべん」となるのではないでしょうか。
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