女心の解説ラボ

女性たちの心理気持ち、表情に隠れた裏側は・・

47、自ら選んだ男に支配されたい女 - 支配されたい男の心を支配したい

女性の心は摩訶不思議。

 

支配されたいと望む男の心を、逆に支配したいと願うものです。

 

ホメ―ロス作の「オデュッセイア」。

ここにはなかなか興味ある記述を見出すことが出来ます。

 

魔女キルケの棲家とも言うべき、

アイアイエー島にたどり着いたオデュセウスとその部下たち。

 

彼女の差し出す食べ物によって、オデュセウスの部下たちは、

つぎつぎと卑しい動物に変えられてしまいます。

 

ところが、ただ一人、オデュセウスだけは、

彼女の魔法でも動物に変えてしまうことは出来なかったのです。

 

もちろん、それには理由があるのですが、

そんなオデュセウスに魔女キルケは屈し、

彼に支配されたいと願いその身を任せることになったのでした。

 

さて、ルソーはそのくだりを用いて、

女性に対する男の有り方というものを教えております。

 

すなわち、女性というのは、 

「彼女の掟よりほかに掟を知らない男性を、彼女は恋人にもちたいとは思わなかった。

彼女のために心をゆがめられなかった男性の心を、支配することを彼女は願っているのだ」

とのこと。

 

美しく魅力に富んだ魔女キルケ。

 

彼女がオデュセウスの部下たちに差し出した食べ物とは、

キルケ自身の女性としての魅力そのものなのです。

 

部下たちは彼女を一目見るや、

たちまち彼女の虜となってしまったのです。

 

そして、

「彼女の掟よりほかに掟を知らない男性」

へと転落の坂を転げ落ちた情けない男、

すなわち卑しい豚となってしまったのです。

 

ところが、理由はあるにせよ、オデュセウスその人だけは、

彼女の魅力の虜とはならず、

毅然たる態度で彼女に接することが出来たのです。

 

すなわち、

「彼女のために心をゆがめられなかった」オ

デュセウスの「男らしい態度」、

そんな彼の心を支配したいと望むからこそ、

逆に彼に身を屈し、彼に支配されたいと望んだというわけです。

 

つまり、それが女性の心というもので、

女性は自ら欲しいと望んだ男性に支配されたいと願うもの、

とルソーは唱えるのです。

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